White Noiz

諸々。

短編

SHADOWLESS

昼間の色街は何故か白茶けて見える。わたしは、そんな誰かのセリフを思い浮かべながら狭い路地を歩いていた。前にはターゲット。視界の悪いごちゃごちゃした街では、1つ交差点を挟むだけでターゲットを見失いそうになる。周囲には誰もいない。あまり近づき過…

龍の泉-4

「我々の名誉を挽回するには、リベンジしかないのであるっ!!」 月越山からボロボロになって帰って来た明くる朝、アキラはユウトの部屋で立ち上がってそう叫んだ。 龍ヶ渕を目指した月越山アタックに挫折した三人はイノシシの強襲に遭遇、撤退を余儀なくさ…

Deeper - 4

「お邪魔しまぁす」腕を鳴らしながら部屋の中に入るとゲジゲジの姿が見えない。どこいった?「このクソシロクマゴリラが……覚えていなさいよ」誰も入居していない部屋の片隅からゲジゲジの声が聞こえる。匂いもそこにいる。が、姿は見えない。なるほど。新型…

Deeper - 3

キリッー。窓の外から聞こえる微かな機械音。目の前の女もオレに銃口を向けたまま振り返る。迂闊にも程がある。が、動けない。何者かに見られている。いや、この視線はこの女のものだ。しかし女は窓の方を見ている。これは一体……。次の瞬間、窓ガラスが割れ…

Deeper - 2

参ったね。こりゃ。 オレは黙って両手を上げる。もちろん、無抵抗だから撃つなよという意思表示だ。 「身の回りのもの、使えるものは全部武器にしろ。でしたっけ?隊長?」 にっこり微笑んでいるものの、目は全く笑ってはいない。そしてオレの胸にポイントし…