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諸々。

海皇紀

ようやく、川原正敏の『海皇紀』が電子書籍としてhontに出てきた。
待望も待望。待ちに待った刊行だ。

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川原正敏と言えば言わずもがなで『修羅の門』を思い浮かべる人も多いと思う。

確かに修羅の門は名作だ。総合格闘技ファンのロマンが詰まっている。

例えそれが敬愛する夢枕獏先生の『餓狼伝』や『獅子の門』の設定やシチュエーションを転用したものだとしても、獏せんせーはちっともそんな事は気にしないだろうし、修羅の刻に至っては新境地を拓いているのだから文句の付けようもない。

しかし、個人的には修羅の門よりも、この海皇紀が好きだ。もちろん、今連載中の龍帥の翼も面白いのだけど。

 

どんな話かってぇと、一言で言えば海戦ファンタジー。

架空の世界で帆船同士の海戦を見せてくれる。

他にも『古代文明による兵器』だとか『陸戦における海運の兵站』だとか『古の格闘術』だとか色んな意味でツボにハマる設定が盛りだくさん。

 

それにも増して登場人物が魅力的。

主人公は切れ者で強いくせに怠け者の自称ペテン師。

実に人を食った性格をしているが、どこか憎めない飄々とした感じが人を惹きつける。

 

周囲を固める脇役も、亡国の姫君に、大陸一の兵法者に、古の暗殺術を受け継ぐ者に、超古代文明の秘密を握る少女、大陸の覇者となる男、天才軍師とまぁバラエティに富んでいる。

 

全45巻の超大作なので、一気に購入するにはちと苦しいが、興味がわいたのならhontで1巻目が無料ダウンロードできるので試し読みどうぞ。

大作にも関わらず、途中物語がダレることなく最後まで面白かったちょーオススメの作品ですわ。